新規事業開発の4段階と使えるフレームワーク12選

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■この記事は、以下のような方に向けて書いています。
・新規事業の立ち上げに使えるフレームワークを知りたい
・フレームワークの特徴を知りたい
・フレームワークの具体的な活用方法を知りたい

■本記事の内容
・新規事業企画〜開発の4段階
・新規事業の立ち上げで使えるフレームワーク12選

起業の経験もあり、現在はプライム上場企業で新規事業開発を行っている私が解説します。

新規事業企画〜開発の4段階

新規事業で活用できるフレームワークは多数あります。
今回は、以下の4つのフェーズに分けてそれぞれ使えるフレームワークを解説します。

  1. 新規事業の環境分析(自社と市場)
  2. 新規事業アイデア創出
  3. 競争優位性の分析
  4. 戦略立案

私が新規事業企画を行う場合は、まずは①で自社と周辺環境の分析を行ってから、②で参入領域の仮説立案を行い、並行して③で競争優位性の分析を行います。状況によって順番は前後します。多くの場合、③の時点で顧客の課題やニーズが明確になっていることは稀なので、④で営業やマーケティングを行いながら仮説検証を行います。
商品やサービスを作り込んでから市場に投入すると、実際のニーズとずれていた場合に時間やお金の無駄が発生します。顧客の課題を解決できるであろう最小単位の機能で商品やサービスを作り、マーケティングしてしまうのがおすすめです。実際の顧客の反応を確かめた上で本格的な開発に着手するようにすると無駄が少ないです。

新規事業の立ち上げで使えるフレームワーク12選

新規事業の企画立案から開発までで使えるフレームワークをご紹介します。
新規事業のステージに合わせて活用できるフレームワークを探してみてください。

新規事業の環境分析(自社と市場)

新規事業に参入する上で、政治的、経済的、社会的、技術的といった切り口で参入市場を分析したり、自社や競合、顧客の状況を分析する際に使うフレームワークです。
「そもそも自社の参入市場として適切か?」という判断に活用できます。

・PEST分析
・3C分析
・5F分析

詳細は以下の記事で解説していますので、興味があればご覧ください。
「マーケティングフレームワーク6選と活用ポイント3つ」
https://biz-marke.jp/marketing-framework/

新規事業アイデア創出

参入する新規事業領域や、参入するための商品やサービスを検討する際のアイデア出しに使えるフレームワークです。

マインドマップ

1つのテーマを中心に、関連するワードを放射線状に分岐させて描き出す表現方法です。思考を整理したり、アイデアを出すのに役立ちます。

マンダラート

正方形のマス目にアイデアを書き込んでいくことで、アイデアの整理や創出を図ります。かつて大谷翔平が思考を整理するために使用していた事でも知られています。
大谷翔平他、図を載せられそうなら載せる

KJ法

付箋に情報を記載したものをグループ化することで断片的な情報を整理することができます。複数人の断片的な知見を見える化し、整理することができるため新たなアイデアの創出に用いることができます。

オズボーンのチェックリスト/SCAMPER法

以下の9つの設問に回答していく中で、無理やりアイデアを生み出します。既にある商品やサービスを以下の切り口で検討します。機能など具体的なことに加え、目的や役割などの概念でも利用できます。

代用(Substitute):他で代用できないか?他の素材やアプローチはないか?
結合(Combine):組み合わせられないか?合体、混合できないか?
応用(Adjust):他にこれに似たものはないか?真似できないか?
変更(Modify):意味、色、音、匂い、型などを変えられないか?
拡大(Magnify):より大きくできないか?強く、高く、長くできないか?
縮小(MInify):より小さくできないか?軽く、低く、短くできないか?
転用(Put to other uses):他の用途に利用できないか?
置換(Rearrange):入れ替えられないか?順番や要素は変えられないか?
逆転(Reverse):逆にできないか?ひっくり返せないか?

競争優位性の分析

魅力的な市場領域を見つけ、良い商品やサービスのアイデアを見つけたら、自社の競争優位性を検証します。基本的には、他社が容易に真似できない、自社独自の強みを活かせる事業を目指します。独自性は経営資源によって判断します。一見して競合優位性がないように見える場合でも、市場を細分化したりニッチな顧客ニーズを見つけることで競合優位性を構築することができる場合もあります。

VRIO(ヴリオ)分析

企業の経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)の価値を明らかにするフレームワークです。4つの問いにYES、NOで答えることで、独自性も含めて明らかにし、ユニークな強みを持っていることは競争優位性を保つ上で非常に重要ですが、VRIO分析では4つの問いにYES、NOで答える事でこれらを明らかにしていきます。

価値(Value)
経営資源の経済的価値の評価。自社の経営資源が顧客や社会に対して何らかの価値を提供しているか否か分析する。
希少性(Rarity)
経営資源の希少性の評価。希少性が高くなるほど競合は自社と同じ価値を提供しづらくなるので、競争優位性の獲得に繋がります。
模倣困難性(Inimitability)
競合による模倣困難性の評価。経営資源の希少性とも深く関わる。競合他社が容易に模倣できないビジネスであれば競合優位性は高い。
組織(Organization)
経営資源を有効に活用できる組織体制か否かの評価。経営資源を活かすための組織的なオペレーションが可能になっていると競合に対する優位性獲得に繋がります。

アドバンテージマトリクス

競合状況などの業界の競争要因を分析し、事業の評価を行うフレームワークです。「競争要因数」と「優位性構築の可能性」の2軸で分析し、以下の4つに分類します。競争要因数とは、顧客が購買の意思決定をする場合の変数の数です。例えば、飲食店の場合の競争要因数は、料理のジャンル、価格、立地などです。

特化型事業:競争要因「多」 × 優位性構築可能性「高」
競争要因は多いものの、特定の専門領域に特化することで成立させることができるニッチな事業などが当てはまる。整形外科領域や中枢神経領域など、領域で住み分けがある製薬業界などが該当。
分散型事業:競争要因「多」 × 優位性構築可能性「低」
競争要因が多く、優位性構築も難しい事業。個人商店などの零細小売店や飲食業界が該当。飲食業界の場合、料理のジャンルや価格、立地などの競争要因の数は多いものの、優位性を構築することは困難。
規模型事業:競争要因「少」 × 優位性構築可能性「高」
競争要因が少なく、優位性確保の可能性が高い事業。規模の拡大が収益性向上につながる(規模の経済)コンピュータ業界や自動車業界が該当。
手詰まり型事業:競争要因「少」 × 優位性構築可能性「低」
競争要因が少なく、優位性確保が難しい事業。市場が成熟しきっており、中小企業は淘汰され、大企業の規模の拡大も限界に達している。セメント業界や鉄鋼業界などが該当。

戦略立案

参入に適した市場を発見し、自社独自の強みを活かせる製品やサービス案もできた場合、市場に参入するための戦略をより具体的に検討していきます。自社の強みと弱みを分析した上で、市場を細分化して自社の狙うターゲットを明確にし、市場内でのポジションを定義したり、売上を上げるための価格や販売戦略なども検討します。ここまで来ると、事業計画を立てることができ、経営陣への提案もより説得力を増します。

・STP分析
・4P
・SWOT

詳細は以下の記事で解説していますので、興味があればご覧ください。
「マーケティングフレームワーク6選と活用ポイント3つ」
https://biz-marke.jp/marketing-framework/

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