マーケティングフレームワーク6選と活用ポイント3つ

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■この記事は、以下のような方に向けて書いています。
・マーケティングで使える代表的なフレームワークを知りたい
・マーケティングフレームワークの活用シーンを知りたい
・フレームワークの具体的な活用方法を知りたい

■本記事の内容
・マーケティングで使えるフレームワーク6選
・マーケティングフレームワークの活用場面
・マーケティングフレームワーク活用のポイント3つ

私はこれまでマーケティング施策の企画立案から実行までの業務を経験5年ほどしており、現在はマーケティング支援会社も経営しています。

そんな僕が、マーケティングフレームワークとその活用方法ついて解説していきます。

マーケティングで使えるフレームワーク6選

今回は、環境分析に役立つフレームワークと戦略・施策立案に役立つフレームワークをご紹介します。前者は新規事業の参入領域の検討などに、後者は参入を決めた領域に対して戦略・施策を決める時に使います。

環境分析フレームワーク3選

PEST

Politics、Economy、Society、Technologyの頭文字をとってPEST分析といいます。政治、経済、社会、技術の4つの観点から市場環境を分析することにより、市場の傾向やトレンドを分析します。自社の戦略にもよりますが、時代の流れと逆行していて市場が縮小しているような場合は中長期的にそのビジネスに参入するのは避けた方が良いですし、逆に時代の流れに合致しており、市場の拡大が見込まれる場合は参入を検討しても良いでしょう。

5F

以下の5つの観点で市場環境を分析する方法です。

業界内の脅威

いわゆる競合品のことです。ファミレスであれば、他社のファミレスに売上を奪われるリスクです。

新規参入の脅威

業界への参入障壁のことです。ファミレスであれば、全く新しいファミレスが新規参入してくるリスクです。

代替品の脅威

飲食費市場における外食以外の、スーパーやコンビニ、宅配などの中食や、レシピサイト・動画などがあります。

売り手(サプライヤー)の脅威

売り手とはサプライヤーのことで、ファミレスで言えば食材の仕入れ先です。仕入れ先が人気で強気の交渉をしてくるような環境だと、自社の利益は低下します。

買い手(顧客)の脅威

買い手が有利な市場環境(買い手市場)だと、値下げ圧力で自社の利益は低下します。

3C

Customer(顧客・市場環境)、Company(自社環境)、Competitor(競合環境)、の3つの観点で環境を分析します。

顧客・市場環境

市場規模
成長性
顧客ニーズ

自社環境

経営理念、ビジョン、ミッション
既存事業、自社製品の特徴(売上、商品ラインナップ、シェア、戦略)
既存ビジネスの強み、弱み
ヒト・モノ・カネの強み弱み
資本力・投資能力

競合環境

競合他社の現状推移
競合の特徴(戦略、保有リソース)
競合のポジショニング
新規参入・代替品の脅威

戦略・施策立案のフレームワーク3選

STP

Segmentation(市場の細分化)、Targeting(ターゲット市場)、Positioning(立ち位置)の3つの観点で自社のとるべき戦略を整理します。飲食市場は、外食、中食、内食に分解され、外食は和食、洋食、中華などのジャンルに分けたり、高級志向やコスパ志向など細分化することができます。(このように、構造を分解したり整理したりする時には「MECE」になるように整理すると良いです)こうして細分化した市場の中から、自社がターゲットとする市場を選択し、その市場の中での自社の立ち位置を決めます。これが自社の戦略の骨格になります。

4P

Product(商品戦略)、Price(価格戦略)、Place(流通戦略)、Promotion(販促戦略)の4つの観点で、効果的に市場に商品・サービスを届けるために活用します。

商品戦略

ターゲットに対して、どんな商品・サービスを売るのか?提供する価値や強みを明確にします。他社との比較によって競合との差別化も行います。

価格戦略

自社の商品・サービスの提供価格です。提供価値に対する価格が妥当でなければ購入したい人は現れません。価格のつけ方は競合を参考にする方法や、コストから算出する方法などがあります。

流通戦略

「どこで、どのように売るのか」という販売方法を決めます。店舗を構えるのかオンラインで販売するのか、また直接販売するのか代理店で販売するのか等を決めていきます。

販促戦略

どのような販促を行うのか決定します。適正価格の価値ある商品を作ったとしても、顧客に認知されなければ購入されることはありません。製品やサービスのターゲット顧客に効果的にアプローチできるチャネルやコンテンツを通して認知を獲得していきます。

SWOT

自社の状況を、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunitiy(機会)、Threats(脅威)の4つの観点で分析します。それぞれが内部環境/外部環境のプラス要素/マイナス要素に対応しており、自社の強み/弱みと外部環境の機会と脅威を分析できます。

<内部環境と外部環境の例>
内部環境:自社の商品・サービス、顧客情報、ブランド力、組織、社員、技術力
外部環境:市場の規模、市場成長率、競合状況、政治、社会、法律

強み

内部環境の強みです。既存事業を通じて構築した顧客基盤や、効率的なオペレーションを実現できる組織体制、他社がもたない技術力などが該当します。

弱み

内部環境の弱みです。事業規模が競合に比べて小さく、顧客への提供価格が高い、明確に他社と差別化できる商品やサービスがない、専門性のある社員の人数が競合と比較して少ない、などがあります。

機会

外部の機会です。技術革新を背景に市場が拡大している、社会背景から業界へのニーズが高まっている、競合が撤退して売上獲得の機会が増加した、など。

脅威

外部の脅威です。代替サービスの出現により市場成長率が鈍化している、規制緩和により競合の新規参入が増加している、社会背景により購買層が減少している、など。

マーケティングフレームワークの活用場面

これらのフレームワークは、マーケティング戦略の企画立案、実行の際に用いられます。しかし注意が必要なのは、フレームワークは戦略立案の際に状況を整理するための道具でしかないと言うことです。「ハンマーしか持たない人には、全てが釘に見える」といいますが、「とにかくフレームワークを使用して分析する」ことのないように注意してください。

本来、マーケティング戦略を立案する背景には目標があるはずです。目標の期限や内容によって選択すべきフレームワークや評価方法は異なるので、本来の目的をずらさないように気をつけましょう。3年後に売上5億円を目指す場合と、5年後に売上100億円を目指す場合では戦略は異なりますし、判断に必要な情報の粒度も異なってきます。
5億円や100億円が、どんな市場のどれくらいのシェアで、現実的に、期間内にそれらを獲得することが可能なのかを分析するために利用するためにフレームワークを活用しましょう。

マーケティングフレームワーク活用のポイント3つ

適切なフレームワークを選択する

参入市場を決めたり、中長期的な戦略を立てる場合など、マクロな視点で分析する時はPEST分析や3C、5F分析など外部環境も含めた分析を行うべきですし、既に参入済みの市場で事業やサービスを開発する場合はSTP分析や4Pなどを使って、より戦術に近いところから始めても良いかもしれません。どのフレームワークが適切かわからない場合は、とりあえずいろいろ試しているうちにわかってきます。

PDCAサイクルを回す

フレームワークを使って分析したとしても、状況は常に変わります。当初想定していた仮説の検証が進み、わからなかったことが明らかになっていくケースもあります。フレームワークは考えや状況を整理するためのツールに過ぎないので、「一度分析して終わり」ではなく、施策を行うことで仮説と検証を繰り返し、精度を高めていきましょう。

分析に使う情報の質・量を高める

マーケティングフレームワークを有効に使うためには、判断に必要な情報を多く持っている方が有利になります。誰でも知っている情報をフレームワークで分析しても、他の人と似たような結果になってしまいます。ところが、もし他の人が知らない業界の動向や顧客ニーズを知っていて、それをもとに精緻な分析ができているのであれば精度の高い施策実施につながります。

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