■この記事は、以下のような方に向けて書いています。
・キャリアプランとはどんなものか概要を知りたい
・キャリアプランの考え方を知りたい
・具体的なキャリアプランの立て方を知りたい
■本記事の内容
・キャリアプランとは、「キャリアのゴールへの道筋」
・キャリアプランを考えるプロセス5段階
・キャリアプランに沿ったキャリア構築の方法
・私のキャリア構築体験談
自身でキャリアプランを設定し、転職を3回、起業を1回経験し、現在は東証プライム上場企業でマネジメントをおこなっている私が解説します
キャリアプランとは、「キャリアのゴールへの道筋」
キャリアプランとは、今後自分がどのような経歴を積んでいくかを考える中長期の計画のことです。
自分が将来「どうなりたいのか?」をはっきりさせることで、それまでに獲得しなければならないスキルや経験、知識が明らかになります。
キャリアプランとは、「自分がなりたい目標に近づくために、今後どのようなスキル、経験、知識を得ていくかを定めた計画」です。
だいたい5年後、10年後ぐらいの期間で設定することが多いです。
なぜキャリアプランをつくる必要があるのか?という点ですが、目標が整理されていると、普段の会社での業務や社外でのスキルアップなど、「自分は今何をやるべきか?」が明確になります。
やるべきことが明確になると、関係する業務や勉強へのモチベーションが上がりますし、逆に関係ないこと(業務、人間関係など)に振り回されなくなります。
ちなみに、私は中途採用の面接も行っていますが、キャリアプランは志願者に必ず質問する項目の1つです。質問する理由は、「この人は入社した後に、中長期的に活躍してくれそうか?」を判断するためです。
会社側が採用面接で一番避けたいのは、「入社した後にすぐに辞められること」なので、中長期的な価値観が合っていることを確認するために質問しています。個人的には全ての人がキャリアプランを持っていた方が良いと思いますが、特に転職を検討する場合は必ず用意するようにしましょう。
キャリアプランを考えるプロセス5段階
キャリアプランを考える時のポイントは、5つです。
自分がなりたい状態を明確にする
今の会社で部長職になる、業界最大手の企業に転職する、経営・マネジメントに携わりたい など、今のあなたがなりたい状態を明確にします。
期限を決める
いつまでに「なりたい状態」になるのか、を明確にします。例えば、同じマネジメント職を目指すにしても、3年後になりたいのと、10年後になりたいのでは、今やらなければならないことは変わってきます。転職や社内の昇進を目指す場合も同様です。期限は、企業の中期計画などでも設定されることが多い5年後、10年後を目安に考えると良いです。もちろん、20年後などより長期的に考えておけるとより良いです。経験や環境変化によって目標は変わることがありますが、あくまで「現時点での」自分の考えを持っていることが重要です。
現在の自分となりたい状態の「差」を明確にする
1と2の作業によって、あなたは「いつまでにどうなりたいのか?」が明確になりました。さて、「現状のあなた」と「なりたいあなた」には差があるはずです。「5年後にマネジメントに携わりたいが、現在はスタッフ職である」といった具合です。
現状の自分となりたい自分の「差」をなくす方法を考える
ここで重要なのは、現状の延長線上でなりたい自分になれるかどうかです。例えば、あなたが既に社内で十分実績や経験があり、評価もされていて、人事制度上も「このままいけば5年以内にマネジメント職に就くことができそうだ」ということであれば今のまま経歴を積み上げてください。
一方で、「会社の制度上5年以内は絶望的」、「上が詰まっているからその人が辞めない限り難しい」、「現状の自分への評価が高くなく、昇進は難しい」「5年後のマネジメントは達成できても10年後の目標達成が難しそう」、「まずはスタッフ職からリーダー職に昇格する必要がある」など色々な事情で実現性が怪しい場合も多いでしょう。このような場合は、「知識や経験、技術の向上といった自分の努力で解決できるか?」という視点で考えてみてください。自分の力で解決できない場合は、転職などで環境を変える必要があります。
「差」をなくすアクションを実行する
あなたがなりたい自分になるために、やらなければならないことが見えてきましたか?あとはこれを実行していくことで、あなたの理想に近づいて行きます。ちなみに、一点注意していただきたいポイントがあります。それは、「定期的にキャリアプランを見直す」という点です。5年後のあなたの状況が今と変わらない保証はどこにもありません。例えば、転職して他社でキャリアを作ることになった場合、「必要とされる知識や経験、技術は何か」という視点も持ちながらアクションを実行しておくと、自分にとってより価値の高いキャリア構築ができます。
キャリアプランに沿ったキャリア構築方法
キャリアプランが作成できると、後は必要なアクションをとりながら理想的なキャリアを実現していきましょう。
キャリアプランを実現していく上で重要なことは、「自分のコントロールにより実現できるかどうか」を見極めることです。例えば、社内の制度で「●●の資格保有者は、XXのポジションに就くことができる」と保証されていれば、XXのポジションに就けるかどうかはあなたが資格を取得できるかどうかにかかっているので、「ひたすら頑張って資格をとる」という解決策を実行することになります。
一方で、「社内には自分が目指すXXのポジションの空き枠がない」、「今の会社で実現しようとした場合、何年かかるかわからない」といった悩みも少なからず発生します。環境要因であなたのキャリアプランの達成が困難な場合は、転職などで環境を変える方法を検討します。
私のキャリア構築体験談
一般的な内容だけだと伝わりにくい部分も多いので、私の体験談を2つご紹介します。
1つはまだ若手の時に未経験職種(営業→マーケティング)にチャレンジすべく転職した話で、もう1つは志願により新規事業の部門に異動した話です。
キャリア構築体験談①
私は昔、セールス職からマーケティング系の職種にチャレンジしたいと会社に相談したことがあります。人事からは「あと3年は営業を経験してからだね」と言われました。私は当時20代で、30歳になるまでにマーケティングの仕事をしたいと考えていたので、提示されたペースでいくと間に合わない可能性が高いと考え、転職を決意しました。今思えば、仮に3年営業として残っていても、ポジションの空き状況や業績などの関係で、マーケティング職に就けていたかどうかわかりません。キャリア形成を考える上で年齢はとても重要なので、あの時転職して本当によかったと思っています。
キャリア構築体験談②
晴れてマーケティング職に就いた後、今度は事業を作る仕事がしたくなりました。元々営業やマーケティングの経験を積みたかったのも自分で事業を作れるようになりたかったからなので、当初から想定していたキャリアプラン通りの願望でした。最終的に起業したいと考えていましたが、いきなり挑戦する度胸もやりたい領域もなかったので、新規の事業を企画したり、それを大きくしたりする仕事をしたいと考えていました。幸い、私がいた会社は多くの新規事業が立ち上がる風土でしたので、会社と直接交渉して異動させてもらうことができました。ちなみに、非公式的なルートでやり取りしていたのもあり、誰にも相談できず、直前まで異動が成立しない可能性もあったので、並行して転職活動も行っていました。不義理に思われる方もいるかもしれませんが、私のキャリアプランのスケジュール上かなり押している状態で、焦っていたためこのような手法をとりました。結果、無事異動が実現し、少し遅れながらもキャリアプランを実現することができました。