マーケティング戦略とは?戦略立案の5STEP

未分類

■この記事は、以下のような方に向けて書いています。
・マーケティング戦略とは何か知りたい
・マーケティング戦略の立て方を知りたい
・マーケティング戦略の立案・実行のポイントを知りたい

■本記事の内容
・マーケティング戦略とは、「いつ」「誰に」「何を」「どのように売るのか」を決めること
・マーケティング戦略と具体的な計画立案の5STEP
・マーケティング戦略立案・実行のポイント3つ

僕はこれまでマーケティング施策の企画立案から実行までの業務を5年ほど経験しており、現在はマーケティング支援会社も経営しています。

そんな僕が、マーケティング戦略について解説していきます。

マーケティング戦略とは、「いつ」「誰に」「何を」「どのように売るのか」を決めること

マーケティング戦略とは、一言で言うと、売上を上げるための仕組みづくり」の方向性を決めることで、具体的には、売上を上げるために以下の4つの観点で整理することを指します。

  • 「いつ」
  • 「誰に」
  • 「何を」
  • 「どのように売るのか」

シンプルですがこれだけです。ただし、戦略を決める際には社内外のさまざまな要因を分析して、「この戦略で自分たちが目指すところに、本当に到達できるのか?」という問いに応えられるものでなければなりません。「戦術」ではないので、大まかな「進むべき方向性」というイメージで捉えましょう。以下の視点できちんと整理され、全社の戦略とも整合性がとれているか確認してみてください。

いつ

戦略のスケジュール設定です。年度ごとなど、ざっくりしたもので大丈夫です。経営計画や売上目標から逆算して、いつまでにどういう状態になっていなければならないのかを明確にしましょう。
例えば、5年後に売上10億円を目指すのであれば、1年後、2年後、3年後、4年後はそれぞれどうなっていなければならないのか、という視点で考えます。売上と共に、契約している顧客数であったり、サービス利用ユーザー数で表すと、いつどんな施策を行わなければならないのかが明確になります。

誰に

ターゲット顧客属性です。
購入してくれるお客さんの設定は、明確にイメージできるレベルで設定できていると施策や検証が行いやすくなります。「自社の商材を購入してほしい人(会社)の特徴」を言語化して関係者で共通認識を得ます。例えば、自社の顧客リストを眺めて、①40代、過去にダイエットに失敗した経験がある男性、②50代、過去にダイエットに失敗した経験がある女性、の購買が多く、これからも伸ばせそうだ、ということであれば、①や②をターゲットにできます。一方で、①や②は既に十分なシェアを獲得しているので、①でも②でもない、③20代、体を絞って異性にモテたい男性、の新規開拓を狙う。といったケースもあるかと思います。大事なことは、ターゲットとした顧客にアプローチして十分成果が出たとして、あなたが目指す状態(売上)に到達するかどうかです。ゴールから逆算してターゲットを決めましょう。

何を

マーケティングを行う商材です。
既に顧客に提供している商材もあれば、これから企画開発を行う新規の商材も含まれます。
基本的には、既存商材の場合は、売上を上げるための方針を、これから開発する新規商材の場合は、その企画開発の方針から戦略を検討します。

既存商材の場合は、その商材の利益率や市場シェア、今後の成長性などを軸に優先度をつけることが重要です。また新規商材の場合は、市場に浸透させる前段階なので、商品・サービス企画的なアプローチを行います。新規に企画するときは、きちんとニーズをとらえた商材を開発できた時に、自分たちが目指す売上規模に到達するかどうかをしっかり検討しましょう。せっかく良い商材を作っても、市場がなければ売上は上がりません。

どのように売るのか

マーケティング施策内容です。
商品やサービスが顧客に購入されるためには、顧客に認知され、価値が伝わり、購入の意思決定をしてもらう必要があります。Web広告やSEO、SNS、展示会、テレアポなどのいわゆるマーケティング施策や、営業もここに分類されます。費用をかけて、どれだけの売上を上げることができるのか(費用対効果)を元に、複数の施策を優先順位づけしながら予算とリソースが許す限り施策を行い、効率の良い方法を検証していきます。

以上の項目をそれぞれ設定することが、マーケティング戦略の立案です。

マーケティング戦略を立てる5STEP

マーケティング戦略の立て方は以下の通りです。
基本的には、「いつまでにどうなっている必要があるのか?」と言う観点で目標を明確化し、目標に近づけるための施策を設定する流れになります。

①自社の向かう方向性を整理する(中期経営計画)

会社のビジョンやミッションの達成のために、経営計画が作られます。経営計画は、一般的によく使われる、企業の3〜5年後のあるべき姿を定義した中期経営計画や、さらに長期スパンのものもあります。マーケティング戦略立案の拠り所とするのは、3〜5年の中期経営計画が妥当でしょう。

例:中期経営計画では、現在10億円の売上を、5年後に20億円にすることを目標としている

②中期経営計画からマーケティングの目標を整理する

複数の事業部や商材を取り扱っている企業の場合、中期経営計画の内訳が設定されていることが多いです。この内訳を整理し、各製品や事業としてあるべき姿を整理します。 

例:5年後にA製品を5億円、B製品を3億円売り上げをアップさせ、新たに開発するC製品で2億円の売り上げを上げる必要がある

③マーケティング目標を細かく分解する

5年後という先の目標を細分化し、実現可能なレベルに分解します。1年ごとの分解が一般的ですが、最初は1年後、3年後、5年後といった粒度で作って、そこから細かく作っていく形でも大丈夫です。

例:1年後の売上で、Aを1億円増加させる、3年後の売上で、Aを3億円、Bを1億円増加させる、またCをリリースする、5年後の売上で、Aを5億円、Bを3億円、Cを1億円増加させる

④目標売上を細かく分解する

売上をその構成要素に分解します。よく使われる分解として、「売上=単価×数量」があります。売上目標を単価と数量に分解することで、どれだけの顧客に対して、単価いくらで販売する必要があるのかが明確になります。この時、顧客の支払い能力や市場価格から大幅に外れた顧客単価や、実現不可能な販売数量(そもそもそんなにターゲットがいない等)になっていないか注意しましょう。

例:5年後に、Aの売上を5億円増加させる=5年後に、客単価50万円×1000件の契約が必要

⑤目標単価や数量を実現するための施策を企画する

戦略よりも戦術に近い内容ですが、具体的なアクションが考慮されていない企画は意味がないのでここまで考えておきましょう。

目標単価や数量を実現するための施策は複数出てくると思いますが、費用、効果、即効性、難易度などをもとに優先順位づけを行いましょう。ちなみに、費用対効果は、売上高÷投資費用で計算します。この値が3になるのを一つの基準として、施策の実施是非を判断することが多いです。

例:来年はテレアポと展示会を中心に200件獲得し、3年後はSEOとSNSを活用して600件獲得し、5年後はWEB広告にも追加で投資し、1000件獲得する

組織によっては、1〜5の全てをマーケティング部門の責任で行っている場合もありますし、1や2の上流工程に関しては経営陣が行っていたり、事業企画が行っていたりと切り分けは様々です。いずれにしても、現状と目標のギャップをマーケティング施策で埋めることが「マーケティング戦略を立てる」ということになります。

マーケティング戦略立案・実行のポイント3つ

 戦略は抽象度が高くてもOK。ただし、実行プランも検討はしておく

マーケティング戦略は大まかな方向性を定めるものなので、実行プランなどの具体的な計画とは分けて考えます。ケースにもよりますが、例えば、戦略としては「5年後に製品Aの顧客を3倍に増やすために、2年以内に現在の顧客とは異なる属性のターゲットにアプローチすることで新規に顧客を2倍に増やし、その後新たな機能のリリースによって5年後に3倍の売上を目指します」という粒度でOKです。ただ、これだけの情報だと、経営陣や上司などから見ると、「それ本当にできるの?」となってしまいますので、戦略に紐づいた具体的な計画とセットになっている必要があります。具体的な計画としては、「新規顧客の獲得は、リスティング広告で月に●件の顧客を獲得する」といった、具体的な施策内容と獲得件数、スケジュールがセットになったものです。判断しづらい場合は、過去の実績や類似事例などを参考に作っても大丈夫ですが、大きく乖離しないように注意しましょう。

戦略はあまり変わらない粒度で、戦術は変わる前提で考える

当初想定した計画通りに施策が実行できて、予定した通りの成果が出続けることは稀です。そのため、どんな施策を行うか、といった戦術レベルでは臨機応変に変更しても大丈夫です。一方で、戦略は進むべき大きな方向性を示すものなので、年単位でコロコロ変わってしまう粒度で設定するのは避けた方が良いです。スタートアップや新規事業など、不確実な市場で戦う場合は戦略を変更することもありますが、既に市場が形成されていてそこに参入する場合はある程度試算もできており、勝算も立っているはずなので、大きな方向性はブレにくいレベルで戦略を立てましょう。

選択肢は常に最低3つ想定しておく

目標を達成するための方法は1つではないので、常にバックアッププランを想定しておきます。例えば、5年後までに、A製品の5億円=客単価50万円×1000件の契約を作る、と言う計画を立てた場合でも、これは売上目標達成のための手段の一つでしかありません。広告や営業の施策を展開して件数を増やす方法もあれば、新たな顧客ニーズを発見し、機能追加や新たなサービスを開発することによって客単価を上げることで売上目標を達成できるかもしれません。また、一口に広告と言っても、TVCMもあればリスティング広告もありますし、SNS広告もあります。打ち手は常に複数あるので、常に「より良い施策はないか?」という視点を持っておきましょう。予算やリソースが許す限り、複数同時進行させて効果の高い施策を見つけ、売上を成長させましょう。

タイトルとURLをコピーしました