仕事をする中で、「会社を辞めたい」と考えたことはありませんか?
人間関係、労働条件、収入など理由はいろいろですが、私も転職、起業をきっかけに会社を3回ほど会社を辞めた経験があります。いろいろな形で「会社を辞める」経験をしているので、実際に会社を辞めた経験を記事にまとめました。
■この記事は、以下のような方に向けて書いています。
・会社を辞めたくてモヤモヤ、ソワソワしている
・今の給料や人間関係、働き方に不満、不安がある
・会社を辞めたいけど、リスクがありそうで怖い
■本記事の内容
・転職者が会社を辞める理由5選(男女別)
・会社を辞めたい時の理由別!対処法とメリットデメリット
・あなたに合った対処法の選び方
転職者が会社を辞める理由5選(男女別)
実際に会社を辞めた人の理由を見てみましょう。「会社を辞めたい」と思う理由は人それぞれですが、厚生労働省の調査によると、転職者の退職理由上位5つ(男女別)は以下の通りです。
(出典)厚生労働省:令和3年雇用動向調査結果の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/22-2/dl/gaikyou.pdf
男性の退職理由上位5つ
1位:職場の人間関係が好ましくなかった(8.1%)
2位:労働時間、休日等の労働条件が悪かった(8.0%)
3位:給料等収入が少なかった(7.7%)
4位:会社の将来が不安だった(6.3%)
5位:仕事の内容に興味を持てなかった(5.0%)
※定年や契約期間満了、個人的理由での退職は除いています
女性の退職理由上位5つ
1位:労働時間、休日等の労働条件が悪かった(10.1%)
2位:職場の人間関係が好ましくなかった(9.6%)
3位:給料等収入が少なかった(7.1%)
4位:能力・個性・資格を生かせなかった(4.8%)
5位:会社の将来が不安だった(4.5%)
※定年や契約期間満了、個人的理由での退職は除いています
以上が男女別の退職理由になります
退職理由の上位3つは、①人間関係、②労働条件、③給料等の収入で男女同じですが、順位はそれぞれ異なっています。上司や同僚の考え方や価値観、職場の労働環境や給料は自分の力でなかなか変えることができません。このように、自分ではどうすることもできない状況の人が会社を退職していることがわかります。
会社を辞めたい時の理由別!対処法とメリットデメリット
退職の理由として、「人間関係」、「労働条件」、「収入」が多いことをご紹介しました。
では、このような理由で「会社を辞めたい」となった場合は、どう対処すれば良いのでしょうか?
会社を辞めて解決する方法と、会社を辞めずに解決する方法がありますので、それぞれご紹介します。
会社を辞めずに解決する方法
今の会社を辞めずに、不安や不満を解決する方法です。
会社を辞める場合に比べて労力やリスクは少なめですが、自分でコントロールできる割合が少なく、
あなたが感じている問題の解決に繋がらなかったり、実現までに時間がかかったり、そもそも実現できない場合もあります。あなたの状況や会社のカルチャーと照らして「実現まで辞めずに我慢できそうか」がポイントです。
異動する
大企業だと「総合職は平均3年で異動する」といったカルチャーがあったり、中小企業やベンチャー企業でも「異動願を出して承認されれば異動できる」というケースがあります。同じ会社内なので、給与の基準は引き継がれることが多いです。一方で、特定の部門の労働環境や人間関係が理由で退職を検討している場合は異動によって解決できる可能性があります。自分が異動できるかどうかがわからない場合は、人事制度や過去の異動実績を調べたり、信頼できそうな人に聞いて確認しましょう。ちなみに関連会社やグループ会社の出向の際も給与額を引き継ぐことが多いので、ほぼ異動と同じ形になります。環境がわからない先に異動になる場合、問題が悪化する可能性もあるので、異動先の部門や関係者の話を聞くなどして、事前に調査しましょう。
<異動が有効な例>
- 会社に不満はないが、職場の上司や同僚との人間関係の問題を解決したいとき
- 今の職場の労働条件が、社内の他の業務を行う部署よりも悪いとき
- 今の部門では、能力・個性・資格を生かせていないとき
昇進する
実績を積んだり、スキルアップにより職位を上げて環境や労働条件を変えるアプローチです。
多くの会社では、職位と給与が連動しているので、収入アップに繋がります。
大企業の場合、数年ごとに基本給が上がる会社も多い一方、年功序列の場合は短期間にステップアップするのは難しく、不満を解決するのに数年単位の時間を要します。
<有効な場合>
- 会社の環境に不満はないが、収入を上げたいとき
- 今の職位の労働条件が悪いとき
- 職位を上げて、キャリアアップしたい場合
スタッフ職よりも、マネジメント職の方が時間の融通が効く場合が多いです。
業務量は状況によりますが、裁量がある方がストレスは低いです。
リスクは低いですが、異動も昇進も、自分で「やります!」と言ってできるものではありません。
次章では、このような選択肢の中からどのようにあなたに合った方法の見つけ方をお伝えします。
会社を辞めて解決する方法
今の会社を辞める方法です。
多くの人は退職後もお金が必要なので、他社に転職したり自分で事業を行ったりしてお金を稼ぐ必要があります。会社を辞めずに解決する方法に比べて自分でコントロールできる部分がほとんどなので、不満や不安を自分のペースで解決できることが特徴です。
会社を辞める場合のメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
- 人間関係や労働条件(労働時間、休日)など、職場に依存する不満や悩みを解決できる
- 給与や福利厚生、各種手当など、経済的な条件を改善できる可能性がある
- 自分のペースで不満や不安を解決できる
デメリット
- 退職後の収入を確保できていない状態で会社を辞めるとお金がなくて困る
- 今の仕事と転職活動や自分の事業を並行する場合、労力や時間がかかる
- 社内で評価され、出世コースに乗っていた場合、リセットされる
あなたに合った方法に見つけ方
会社を辞めずに解決する方法(異動/昇進)と会社を辞めて解決する方法(転職/起業)の2つをご紹介しました。バシッと方向性が決まった方はもちろんそれで問題ないのですが、「社内の異動可能性も転職先もあるかどうかわからないし、どうしたら良いかわからない・・・」という方がほとんどだと思います。
しかし、安心してください。今の時点で進め方をかっちり決める必要はありません。複数の選択肢を検討しながら自分に合った方法を探していきましょう。会社を辞める場合は、転職先が決まってから、起業する場合は収益が得られる見込みが立ってから退職すれば収入が途絶えるリスクは軽減できます。
実際に、現在私は採用面接を行っていますが、採用候補者から、①A社に転職する、②B社に転職する、③今の会社に残るのいずれかで迷っています、という選択肢を教えてもらうことも多いです。社内に残るのが良いのか、転職するのが良いのかは、条件が揃わないと判断できないので当然です。
面接が進めば、転職後に上司となる人や人事担当との会話の中で会社の雰囲気やカルチャーはある程度わかりますし、給与や労働条件(残業時間や在宅勤務の可否)などが明確になってから、今の会社に残るか転職するか判断すれば良いのです。
繰り返しになりますが、重要なことは、選択肢を複数持っておくことです。
会社に残って異動を目指すパターン、A社に転職するパターン、B社に転職するパターン。
起業する人は起業も選択肢に含め、最低3つぐらいあると、あなたにとって最適な選択肢を見つけられる可能性が高くなります。
最適な解決策の見つけ方がわからない人は、厚生労働省の調査結果を使いましょう。
例えば、以下のような項目の中から、あなたが大切にしていること(辞めたい理由につながるもの)の上位3つを選び、その3つに関して、A社は今の会社と比べてどうか?、B社はどうか?起業ではどうか?と比較します。それぞれの選択肢に対して、○、△、×など評価をつけてみましょう。
並べて書けば、あなたがどうすればよいか自ずと見えてきます。
<優先順位づけの項目例>
・職場の人間関係
・労働時間、休日等の労働条件
・給料等収入
・会社の将来
・仕事の内容への興味
・能力・個性・資格を生かせる
・他、あなたが大切にしたいこと
しかし、やっかいなことに、実際の転職活動では、あなたを採用したいと思っている企業をあなたが探して、自分で応募しなければなりません。仕事もプライベートも忙しい中で、全部一人でやり切るのは至難の業なので、できればそれは避けましょう。
「知り合いの伝手でたくさん応募先があるよ!」という方以外は、転職支援会社を利用して情報を得ることをお勧めします。
お金はかからないので、登録後に、整理したあなたの希望の優先度を伝えてみてください。
条件に合致した求人票をいくつか提示してくれます。
ここで一点注意点ですが、会社に残るか転職するかを検討する時に選択肢を複数もった時と同様、情報収集先の転職支援会社は複数もつようにしてください。
転職エージェント個人や所属している企業によって把握している企業の求人情報が異なり、また得意な業界、職種等があったりしますので、転職活動を有利に進めるためにも、最低3社程度とコミュニケーションをとりましょう。
お互い人間なので、合う合わないもありますし、知識が豊富な人もいればそうでない人もいます。
メッセージのやり取りの時点で、この会社(人)に相談してみたい、みたいなのもわかってきますので、そこで3社ほど選ぶのがおすすめです。
私が転職活動をするときは、転職サイトに3つほど登録し、そこで連絡を送ってきたエージェントのプロフィールや案件内容を閲覧して、最低5件ほど話を聞きます。その中で、自分が興味がある転職先や業界に強みがある人と繋がり、情報収集を行います。業界に強い転職エージェントは面接で聞かれる内容や、求人を出している会社の内部事情まで詳しく知っていたりするのでそういう人を見つけましょう。提示された求人全てを受ける必要はありませんので、気楽に広く情報収集しましょう。
転職サイトに登録していない人は、気になるものを1〜2サイト登録すると勝手がわかると思います。